映画「万引き家族」

 カンヌ映画祭のパルムドール獲得で話題性抜群の「万引き家族」を見てきた。古ぼけた一軒屋に祖母、息子夫婦、子どもたちの三世代が一緒に暮らしている。とはいえこの家族に血縁関係はほとんどなく、祖母の年金と息子と孫の万引きが生計を支えている。連想されるすさんだ家族の光景とは裏腹に、この疑似家族は突然家族に加わった幼女ですら何となく迎え入れてしまう。血縁によって結ばれるという「正しさ」が最初から欠落しているから、どのようにでも家族は変身できそうだ。
 観客は誰でも思うはずだ。この家族はどのように崩壊するのだろう。ストーリーの大枠は想像どおりに展開し終わる。あっと驚く結末があるわけではない。そうした展開を期待する観客は間が持てなくなるかもしれない。私はといえばこの映画の結末にほっとした。疑似家族だろうが血縁的家族だろうが、家族は子どもの成長によって終わりを迎えるしかない、そう説得する力がこの映画にはある。疑似家族が血縁家族に突きつける家族とは何なのかというまっとうな問いかけがこの映画の主題かもしれないが。
 是枝作品の家族という主題は韓国映画における家族のあり方と比べると際だった違いがあるように思える。よかれ悪しかれ「血は水よりも濃い」世界が韓国映画の家族であり、それは山田洋次作品に通底しているかもしれない。
 昨日は「海越えの花たち」という劇を紀伊國屋ホールで見てきた。敗戦時に朝鮮に残された日本人花嫁たちを取り上げた劇だった。二日続けていい時間を持てた。

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この記事へのコメント

まっちゃん
2018年06月26日 07:00
僕も昨晩、「万引き家族」を観に行った。ちょっと、よくわからんかった。カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞をとったのだから、フランス人やヨーロッパ人にもこの映画のすばらしさが理解されたのだろうが‥‥。コメントを読んで、なるほど~、こう理解するものなのか~、と驚いた!

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