映画「新聞記者」、役者さんたちの勇気に拍手

 話題の映画「新聞記者」(監督藤井道人、製作河村光庸)を見てきた。横浜港北ニュータウンのシネコンは平日の午後ならガラガラのはずが8割方の客の入り、これなら都心の新宿ピカデリーなら満席になってもおかしくはない。

 誰がどうみたって安倍政権がモデルの政権(映画では直接は誰も登場しない)のスキャンダルを追う女性記者(シム・ウンギョン)、一方政権のスキャンダル隠しに従事する内閣情報調査室の若手官僚(松坂桃李)は、政権が強引に進めようとしている新設医学部のスキャンダルをめぐって追及する側と権力を守護する側に立って巡りあう。俗っぽい展開ならここで二人のラブロマンスを絡めるのだろうが、この映画はそうはしない。

 権力の犯罪は利権がらみの医学部新設が焦点かと思われたが、事態はさらに深刻な問題をはらんでいた。これは見てのお楽しみ。映画は二人にじわじわと迫ってくる内閣情報調査室の批判者狩り、メディア抑圧をどう切り抜けるのか、サスペンス映画としてもよくできている。

 映画の面白さを増すためには権力はおどろおどろしく描かれる必要があるが、私には内調というか権力があまりに格好良く描かれすぎていると思った。現実の内調とか公安はもっとずさんでドジなので、そこらへんがうまく作れなかったかなと、これはないものねだり。

 ダブル主演の松坂桃李はこれでまた役者としての評価を高めたのは間違いない。シム・ウンギョンは韓国映画や韓ドラに通じている人なら知っていても知名度はそれほど高くはないかもしれない。私は2011年に彼女が主演した「サニー」を見たことがある。田舎なまりの女子高生を熱演していてその達者さに笑わされた。今は20代半ば、こんなシリアスな役をこなせる女優さんになったんだと感嘆した。

 さて、この映画は何といっても制作者、監督、俳優さんの勇気に拍手したい。安倍政権の加計スキャンダルがモデルだと誰だってわかる描き方、しかも安倍政権がまだ君臨しているときに作るのは相当な覚悟が必要だ。実際にびびって協力や出演を断られたこともあったらしい。だからヒットしてこそこの映画を作った甲斐がある。この映画が安倍政権の終わりの始まりに少しでも貢献してほしいと、これはないものねだり。

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