韓国映画「パラサイト」

 ポン・ジュノの新作でカンヌのパルムドールを獲得した作品ということで期待しながら横浜ららぽーとに行った。新宿なんかと違ってここはファミリー向けのシネコンなので、平日昼では客は30人ほどだった。話題の韓国映画とあって若い人もいた。
 さて映画だが期待に違わずとにかく面白かった。先が読めない展開に「やられたな」と思った。通りに面した半地下の部屋に暮らす貧しい親子4人の一家が主人公で父親がソン・ガンホ。貧しさでいえば韓国映画はしばしば貧しさのなかでけなげに生きる庶民を描いてきた。2010年代の暮らしの貧しさはそうした作品と同じではない。スマホを皆がもち(通信費をはらえないのでwihiしか使えない)、息子は失敗しながらも大学受験中だし、娘は美大に行きたいが金のあてがたたないという貧しさなのだ。21世紀韓国のリアルの一面はこうなのだろう。
 映画はひょんなところから息子が新興成金の家に家庭教師となったところから本筋に入る。これをきっかけに一家4人がまんまと豪邸に出入りして生活の糧をえることになる。パラサイト(原題は寄生虫)るゆえんだ。大金持ちも4人家族、嫌みな金持ちではなく隙だらけの悪人ではない人びととして描いたあたりがにくい。パラサイト家族がどうやって破局へと向かうのか、これはネタバレになってしまうので見てもらうしかない。「やはりこうなってるんだね」とは到底いえない展開になっていることだけはたしかだろう。ソン・ガンホと息子(チェ・ウシク)、お手伝いさん(イ・ジョンウン)の演技が光る。
 韓国映画であればこそこの映画も家族愛がキーワードになると思える。時期的に近い日本の作品でいえば「万引き家族」も家族愛の物語だった。「万引き家族」は血のつながらないものたちがひとつ屋根の下で家族の形をつくっていく疑似家族の物語だった。韓国映画ではこうした家族の物語は多くはないのではないか。家族は血でつながるものなのだ。韓国では族譜という一族の系譜が作られてきたことはよく知られている。血のつながらないものを養子に迎えるという発想はそんなに強くはないのだろう、疑似家族の物語も生まれにくい。その代わり血でつながる親子のきずなの強さは映画の重要な要素になる。他人と思っていたら実は兄弟とか親子だったという韓ドラのかつての定番もこれと無縁ではなさそうだ。

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