吉田裕「日本軍兵士」(中公新書)
本の読後感を書くのは久しぶりかもしれない。ご無沙汰していた理由もとくにはなくて、ただ億劫だったというだけのことだ。
さてこの本「日本軍兵士」だが刊行は2017年12月なのでつい最近の本というわけではない。読み始めたら一気に読み進んでしまった。本書に書かれていることのかなり多くは今までも研究されてきたことなのだが、ここまでまとまって多角的に論じられたことはないのではないだろうか。ひとつひとつうなずいているうちに、日本軍という存在がいかにグロテスクで兵士を人間として扱うことがなかったのか、否応なしに納得せざるをえなくなってくる。
まず兵士はどのような死に方をしたのか。銃弾に当たって戦死することよりも病死と餓死とおぼれ死に(海没)が圧倒的に多かった。これに特攻と自殺と処置という名の日本軍による殺害をあわせれば、誰のために何のために230万の兵士が死んだのか、そしてそうした死を美化し隠蔽する靖国神社という装置の欺瞞性に今さらながら腹が立つ。
死に至るまでの兵士の心身はどのようなものだったのか。年々劣化していく新兵の体格、高齢化と知的障害者まで徴兵するむごさ。口腔崩壊という言葉があるが歯も磨かず戦地にいれば虫歯は兵士の健康を確実に阻害していく。そして服も兵器ももたない幽霊さながらの新兵が戦場に駆り出されていく。そうさせたのは誰なのか。兵士を人間としてみようともしなかった日本軍をいまだに美しく語ろうとするものたちはまずこの本を読んで答えるべきだろう。
さてこの本「日本軍兵士」だが刊行は2017年12月なのでつい最近の本というわけではない。読み始めたら一気に読み進んでしまった。本書に書かれていることのかなり多くは今までも研究されてきたことなのだが、ここまでまとまって多角的に論じられたことはないのではないだろうか。ひとつひとつうなずいているうちに、日本軍という存在がいかにグロテスクで兵士を人間として扱うことがなかったのか、否応なしに納得せざるをえなくなってくる。
まず兵士はどのような死に方をしたのか。銃弾に当たって戦死することよりも病死と餓死とおぼれ死に(海没)が圧倒的に多かった。これに特攻と自殺と処置という名の日本軍による殺害をあわせれば、誰のために何のために230万の兵士が死んだのか、そしてそうした死を美化し隠蔽する靖国神社という装置の欺瞞性に今さらながら腹が立つ。
死に至るまでの兵士の心身はどのようなものだったのか。年々劣化していく新兵の体格、高齢化と知的障害者まで徴兵するむごさ。口腔崩壊という言葉があるが歯も磨かず戦地にいれば虫歯は兵士の健康を確実に阻害していく。そして服も兵器ももたない幽霊さながらの新兵が戦場に駆り出されていく。そうさせたのは誰なのか。兵士を人間としてみようともしなかった日本軍をいまだに美しく語ろうとするものたちはまずこの本を読んで答えるべきだろう。
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